2、3年ほど前に出版されていたMORGAN HOUSELさんのサイコロジー・オブ・マネーを読んでみました。
ちょっと古い本ですが、違和感なく読み進められたので今も人気な理由がよくわかります。
本書はお金に関する内容がベースとなって書かれていますが、本の中で描かれる登場人物の心理や言葉は普段の生活、仕事、人間関係においても心に留めたほうが良い内容が含まれるなと感じました。
好きな内容1 十分の感覚がなければ幸せは遠のく
お金を稼いでいる人間がもっとお金を稼ごうとして良くない取引に手を出している例を挙げておりました。
不要な金を稼ぐために大切な資産を危険にさらした。不要なものを得ようとして重要なものを失ってしまうほど無意味な行為はない。”十分”の感覚がなければ幸せは遠のく。幸福とは結果から期待値を差し引いたもの。
人間は欲深いもので、ある程度の水準に達すると、さらに上を目指したくなります。生活水準も、一度あげてしまうとなかなか元に戻すのは大変です。自分にとっての幸福とは何かをしっかり考え、それを得るために何をすべきかを常に頭に入れておきたいものですね。すでに手に入れているのに、それ以上を欲張ると、今手にしている幸せまでも手放さなければいけなくなるかもしれません。
良い場所で良い家に住むこと、ブランド品を手にいれることも素敵ですが、自分が大切にする人、家族と共に過ごせることが一番の幸せだと思います。自分にとって重要なものは何か胸に留めながら人生を歩んでいきたいですね。
好きな内容2 半分以上失敗しても成功できる
金融業界でも、際立って優秀な人でも正しい判断をするのは10回のうち6回。
1つの成功を生むために必要だった無数の失敗作の存在に気づいていない。ジョージソロスさん曰く、重要なのは、正しいか間違っているかではなく、正しいとこきにどれだけお金を稼ぎ、間違っている時にどれだけ損失を抑えるかだ。
そうですね、場数でたくさん挑戦していれば成功もありますよね。成功者でなんでもできると思ったあの人でも、人一倍努力して場数を重ね、何回も失敗しているかもしれません。その努力のおかげで輝かしい成功を得られるのです。失敗ばかりで落ち込んでいても、一回成功すれば上出来と思いながら課題に取り組んでいきましょう。
好きな内容3 自分でコントロールできないことは辛い
心理的リアクタンスと言って、人は、自分が主導権を握っていると感じたいようです。誰かから何かするように仕向けられると、急に無力感を覚え、行動そのものは好きでも、拒絶したり他の行動を取ろうとします。
好きな仕事ができていても、好きな時に好きな人と、好きな場所で人生を過ごすためにお金を蓄えるのです。昔と比べ、現代人は時間のコントロールができなくなっています。時間を好きな時に使えないのと幸福度に影響を及ぼします。
ハードワークをこなしてお金を稼いでも、そのお金を使う時間がないのは非常に虚しくなります。人によって価値観は様々ですが、ほどほどに働き、残りの時間を家族や自分との好きな時間に使いたいという方もいますね。どちらにしろ、時間を他者に制約されるのは非常にストレスです。
好きな内容4 歴史の終わり錯覚
過去の自分の変化をよく実感しているはずなのに、将来じぶんんお性格た願望、目標はあまり変わらない立とうと考える傾向があります。
ダニエル・ギルバートンさん曰く、ある坂くをだいて日々生きている。変遷を重ねてきた自分の歴史が終わりを迎え、”ついに昔からなりたかった自分になれた。これからもずっとこの自分でいられるはずだ”という錯覚。人は未来の自分をうまく想像することができないのです。
過去の自分を振り返ると、なんでこんなことを考えてたんだろう、と思うことがたくさんあります。もちろん無知が引き起こすこともありますが、今の自分と考え方も大きく変わります。そんな自分の未来を想像することはとても難しいでしょう。あらゆる事象に影響を受け、一年前の自分とは異なる考えの自分が形成されています。
サンクコストの発生
サンクコストとは、回収不可能なコストのことを指します。今の自分から見れば、別人のような過去の自分が立てた経済的目標を無条件に延命させようとしてはいけない。
考えが異なる自分が立てた計画、今の自分には当てはまらないかもしれません。ただ、サンクコストが発生してしまうと、人はそれを変えることに躊躇します。過去の自分に囚われ、新しい計画を立て直すことが難しくなるのです。大学で学んだことを必ずしも社会人で続ける必要はありません。全く異なる勉強を始めてもいいのです。過去の自分に縛られることの方が勿体無いので、今の自分が一番納得するような人生を歩んでいきたいと思います。
以上がサイコロジー・オブ・マネーの中で心に響いた内容でした。
お金に関する考え方を改めたい方にはおすすめの一冊です。